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医師国家試験問題解説書
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国試117 ― 第117回医師国家試験問題解説書

臨床問題にクローズアップ! 第117回全問題を丁寧に解説! 受験者のコメントもバッチリ掲載。

国試117 ― 第117回医師国家試験問題解説書

販売中
   紙書籍 
医師国家試験問題解説書編集委員会 編
B5判,904頁,2色刷(一部4色刷)
2023/04/14発行
¥6,600(本体¥6,000+税¥600)
ISBN 978-4-86399-539-0
重要問題にQRコードを付し,その関連問題をM3E Medicalのインターネットサービス「問トレ」にて無料で学習できるサービスを搭載。
実践的な臨床問題を丁寧に解析する「臨床eye」掲載。臨床医の思考法を伝授。
全問題の正答率および各選択肢の解答率を解析し,掲載。問題ごとの難易度が一目でわかる。
実際に国試を体験した先輩達からのコメント「受験者つぶやき」を収録。解答に至る思考回路を追体験。
第117回国試を振り返っての詳細な傾向分析と対策指導を収載。
    [正誤情報]

はじめに
 私が国家試験を受けたのは今から四半世紀ほど前のことになる。その直後,学生代表としてある雑誌の対談に出たのだが,予備校の講師も交えた場での結論は,これからの国家試験はより臨床に即したものへとシフトしていき,長期的にはアメリカの国家試験を模したものとなるだろうというものだった。何度かの改革を経て,当時は思いもよらなかった手技問題が登場し,いや,それどころか,問題構成や時間割すら,がらりと変わり,長文問題や常識問題の導入など,今や隔世の感がある。
 しかし,医者の質ががらりと変わったかと言えば,断じて,そんなことはない。医学部に合格したうちの八割から九割が通る試験という事実は今も昔も何ら変わるところがないのだ。率からすれば,医師国家試験に通ることは,医学部に合格するよりもはるかに易しいと断言できる。確かに,医学の進歩によって問題自体難しくなっているが,それは単に時代性だけの問題で,基本的には資格を与えることを前提とした試験であると思って良い。年度による多少の変化を問題にするのはナンセンスである。
 基本,落とす試験ではなく通すのを目的とした試験の中で重要なのは,過去の分析をしっかり行い,苦手分野や知識の穴を作らないこと,この一点に尽きる。長年学生を指導してきてつくづく感じるのは,過去問の重要性である。国家試験に通るコツは過去問をしっかりやっておくこと,これ以外ないと言っても過言ではない。その証拠に,本書をめくれば,単年度の問題の中にさえ問われている知識に重複が見られることに気付くだろう。国家試験合格に必要な知識と医学書の膨大な知識とがイコールではないことにも気付くはずである。日進月歩の医学界においては,五年に一度しか改訂されない権威的な成書よりも,毎年書き改められる教育書の方が優れていることもありうるのである。そういう意味で,最新の過去問集は最良の教科書たりうる。六年生になったらまずは本書を購入し,収録されている一つ一つの問題を丁寧にやり,周辺知識を整理していくことを全てに優先して勧める所以である。また,今年,惜しくも合格に至らなかった諸君も,最優先で何が敗因だったのか,本書で確認すべきである。鉄は熱いうちに打たなければ,同じ誤ちのくり返しになってしまうだろう。
 本書の執筆者たちはみなその道の専門家であり,問題を表から裏から分析して,かゆい所に手の届く解説がなされている。その中には,これからの医療を担う後輩たちへの熱い想いが込められている。この国家試験の作問者たちもまた同じ想いを抱いていたはずだ。不適切問題にさえ,学ぶところは大きい。そういう気概を持って,密度の濃い本書を読破してもらいたい。「医師」になるのだと強く信じて進めば,どんな「苦労」も必ずや乗り越えられるだろうし,「到達」する先は「明るい」未来のはずである。全ての受験生よ,ガンバレ!

2023年4月 編者  


『国試117』の構成について
──激変の医師国家試験。『国試117』も変わりました──
 医師国家試験は「医師として具有すべき知識及び技能を問う」と医師法で定められていますが,これまでは「知識」のみ問う傾向が強くありました。
 最近の医師教育を取り巻く環境は,前提として「診療参加型臨床実習から臨床研修へ継ぎ目なく実施できることを目指す」ということがいわれています。
 医師国家試験が知識偏重のままだと,6年生まで座学を行うことになって,これは臨床実習と研修の連続性が損なわれる点で問題を指摘されてきました。
 このため,特に第112回から医師国家試験は明らかに,臨床実地問題の重要度を増す方向へシフトしました。
 しかも臨床実地問題については,臨床実習に主体的に取り組んだ結果を評価できるような,列挙された特徴的なキーワードから疾患名を想起させるのではなく,症候から優先順位を考慮しつつ鑑別診断を進めていくという臨床医としての思考過程に沿った問題が,多く出題されるようになっています。

 こうした医師国家試験の変化をとらえて『国試117』は以下の点に重きを置いた構成にしております。

1)臨床推論・臨床病態学を念頭に置いた解説
 【臨床eye】/【鑑別診断】
 診療参加型臨床実習で学び研修で威力を発揮するのは臨床推論・臨床病態学と呼ばれる領域の知識であり技能といえます。「診療能力」の強化を図るような解説が,さらに充実しています。ぜひ熟読してください。

2)「割れ問」の明示
 【(迷)マーク】
 解答率が高い誤答肢に(迷)マークを付して割れ問を明示しました。勘違いや誤解が多い理由を検討すれば,「転ばぬ先の杖」となります。

3)新傾向や特異性の高い問題をフォロー
 【本問の狙い】
 新傾向問題および特異性の高い問題について,何を問う目的で作られたのか解き明かします。どんな点が斬新に見えたのか,なんとなくわかりにくいのはなぜか,また国試ならではのポイントはどこか。根本的な設問デザインが理解できれば,安心して正答を導き出すことができます。

4)合否に直結する問題を明示
 【QRコード付き問題】
 各問題について点双列相関係数を算出し,特に合否に直結した係数の高い問題をピックアップして「問トレ」へのQRコードを付しました。ここで解くことのできる関連問題を制することが,合格への必須条件です。導入として解いてみるか,直前期のおさらいで解くのか,使い方は自由です。

 ほかにも国試情報ページの充実や,学習しやすいレイアウトへの変更など,多くのバージョンアップを体感できることでしょう。大きく変わった国家試験を制するために最も大切なのは十分な対策とそれに裏打ちされた自信です。本書を実践すれば,きっと皆様には大きな自信が備わっていくものと確信しています。

2023年4月 M3E Medical/エムスリーエデュケーション  

目次
A問題 医学各論(75問)
 一般各論(15問),臨床各論(60問)
B問題 必修の基本的事項(50問)
 必修一般(25問),必修臨床(15問),必修長文(10問)
C問題 医学総論/長文問題(75問)
 一般総論(35問),臨床総論(24問),長文問題(15問),計算問題(1問)
D問題 医学各論(75問)
 一般各論(15問),臨床各論(60問)
E問題 必修の基本的事項(50問)
 必修一般(25問),必修臨床(15問),必修長文(10問)
F問題 医学総論/長文問題(75問)
 一般総論(34問),臨床総論(25問),長文問題(14問),計算問題(1問),長文/計算問題(1問)
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