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化学
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化学プロセスの安全 1.プロセスの運転安全 ― 解説・事故例とQ&A

プロセス運転での作業安全,安全の基本的考え方,国内外の事故例と原因を73のQ&Aで解説!
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化学プロセスの安全 1.プロセスの運転安全 ― 解説・事故例とQ&A

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   紙書籍 
特定非営利活動法人 安全工学会 監修
特定非営利活動法人 災害情報センター 監修
[みみずく舎:発行]
執筆者
A5判,184頁,1色刷
2012/06/25発行
¥2,640(本体¥2,400+税¥240)
ISBN 978-4-86399-150-7
石油精製や化学産業などの化学プロセスの現場の運転面での安全の基本をQ&A形式で解説し、国内外で起こった事故事例を列記。また、巻末には現場の用語について平易に解説。
現場における安全の基本となる考え方やチームワークのあり方、先輩と後輩の職場での行動や業務のあり方など、職場の安全風土に係る事項を記載。
プロセスの運転中における種々の作業安全のポイント、緊急時における現場対応のしかた、そして事故を未然に防ぐための仕事や作業の管理のあり方、また設計への係わり方について記載。
終わりに、今までの大規模地震とその被害状況、化学プロセスやタンクの耐震設計内容や防消火能力、今後の災害対策の提言などを記載。

 化学プロセスの安全は運転,設備そして取り扱われる物質からの総合的な技術の基盤に立って成り立つものである.しかし,団塊世代のベテラン社員の退職や若者のIT志向などから現場における安全管理の基本事項が伝承されにくく,また安全を確保していくための会社や職場の風土が少しずつ崩れかけつつあるのではないかと,社会全体が心配してきているのも事実であろう.

 また平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震による種々の大規模な被害や予想外の事象が発生し,安全に対する不安感が大きく膨らんできている状況ではなかろうか.そのために,いまこそ現場における安全の基本とは何かを振りかえって整理し,若者へ伝承しなければと考えた.
 そこで,石油精製や化学産業など化学プロセスの現場における運転面からの安全の基本項目について,項目を整理し,Q&A方式で判りやすく説明するとともに,項目ごとに実際の事故例を簡潔にまとめた.

 まずIでは現場の各職場における安全の基本となる考え方やチームワーク,先輩と後輩の職場での行動や業務のあり方など職場の安全風土に係わる事項を述べた.IIではプロセスの運転中における種々の作業安全のポイント,緊急時の現場対応,そして事故を未然に防ぐための仕事や作業の管理について記載した.IIIでは現場での工事との係わり方や安全確保のポイント,IVでは設計との関係,そしてVでは今までの大規模地震とその被害状況,化学プロセスやタンクの耐震設計や防消火能力,今後の災害対策の提言などを解説した.

 本書は若い人たちが読みやすく理解しやすいように工夫したつもりであり,化学プロセスの現場や指導者の方々にも広く理解され,現場の安全活動に有効に活用され,化学プロセスの安全に役立てていただければ,大いによろこびとするところである.
 なお,本書の編集にご指導を戴いた東京大学名誉教授 田村昌三先生はじめ小林光夫氏,西茂太郎氏に感謝の意を表します.

 おわりに,本書の出版にあたり企画,編集などにおいて多大なご尽力いただいた,みみずく舎/医学評論社の編集部諸氏に厚く御礼申し上げます.

  2012年5月

岩 田 稔  
若倉 正英  
清水 健康  
井田 敦之  

目次
Ⅰ 現場の安全風土
Q1  組織の安全文化はなぜ必要なのか
Q2  安全の基本とは
Q3  新人オペレーターの現場での行動規範は
Q4  決めたことを守る職場風土
Q5  チームワークの醸成は
Q6  マニュアルを守る大切さ
Q7  運転マニュアル作成の留意点は
Q8  職場の5Sとは
Q9  若手への指導のあり方は
Q10 作業や点検での技量の伝承と向上とは
Q11 始業前ミーティングは
Q12 引継ぎの注意点は
Q13 運転の禁止事項は
Q14 事故事例の風化防止は
 コラム:昔は機器の製作技術レベルが低かった

Ⅱ 運転中の事故防止
 ─運転中の作業安全─
Q15 反応工程での安全のポイントは
Q16 仕込みや取出しの安全のポイントは
Q17 混合作業も危険ですか
Q18 移送にも危険がありますか
Q19 貯蔵時の危険性は
Q20 粉砕作業の危険性は
Q21 廃棄薬品の安全な処理のポイントは
Q22 研究開発での安全とは
Q23 加熱炉の安全な点火とは
Q24 逆流や吹抜けの防止は
Q25 ドレン,ベントからの大気放出は安全ですか
Q26 温度制御で気をつけることは
Q27 往復動コンプレッサーの安全な運転は
Q28 貯蔵タンクの運転時の安全は
Q29 保護具を活用しよう
 ─緊急時の運転対応─
Q30 緊急時の装置停止の考え方は
Q31 緊急時の心構えとは
Q32 装置の停止操作時の液移送とドレンアウトは
Q33 緊急時のアラーム対応は
Q34 計測や制御に乱れが生じたときは
Q35 緊急停止設備の誤作動や不作動の対応は
Q36 台風時の現場対応は
Q37 非常時の対応訓練はどのように
 ─事故の未然防止─
Q38 安全設備の管理は
Q39 運転設備の点検は
Q40 性能データの採取と管理は
Q41 運転の変更管理のポイントは
Q42 外面腐食の管理は
Q43 静電気の防止対策は
Q44 熱交や配管のフランジ漏れ対応は
Q45 バルブの取扱いは
Q46 配管やバルブの表示や識別は
Q47 作業用窒素の管理は
Q48 入出荷業務での事故防止は
Q49 タンクローリーの受入れ・積込み作業は
Q50 高圧ガス事故の未然防止とは
Q51 順守すべき法令とは
 コラム:現象をよく見えるように加工・解析

Ⅲ 運転と工事管理
 ─現場の工事管理─
Q52 運転中工事の役割と責任
Q53 脱液・パージ時の危険性,注意点は
Q54 脱液・移液時の危険性,注意点は
Q55 配管の縁切りの注意点は
Q56 最終ラインアップの注意点は
Q57 運転用仮設配管などの管理は
Q58 運転中の火気工事の注意点は
Q59 運転中の重機工事の注意点は
Q60 タンク開放工事の事故防止は
Q61 運転と工事のエリア管理は
Q62 工事の施工品質確保で注意することは
Q63 運転部門の工事検収はどのように
Q64 工事後のスタートアップ準備は
 コラム:赤玉,白玉論

Ⅳ 運転と設計とのかかわり
 ─設計への関与─
Q65 ライセンサー指針への運転部門の対応は
Q66 プロセス設計への運転部門の参画,関与とは
Q67 設計への要望や問題提起はどのように
 コラム:事故発生の予言

Ⅴ 地震と安全対策
 ─地震被害と耐震設計,安全対策─
Q68 今までの地震災害でどのような被害があったのですか
Q69 設備の耐震設計は
Q70 大型タンクの耐震設計と安全対策は
Q71 石油コンビナートの防消火能力は
Q72 東北地方太平洋沖地震の被害状況は
Q73 大規模地震想定と今後の災害対策は
 コラム:裏マニュアル

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